不定期日記+雑記 Ver3.0

保守屋のVT兵が送る日常

赤い彗星

何故かいきなりガンダムネタです。

ネットではシャア・アズナブルの評価が何故か低いので、それはおかしいと思うというちょっとしたボヤキです。

 

まず最初に、シャア最大の問題は敵が強すぎる事です。

アムロ・レイは、ガンダムを観た人が「強い」と間違いなく思います。

それと五分に戦えるのはシャアだけです。

この時点で、シャアは相当おかしな強さです。

連邦軍のジムを次々と撃破し、戦線に穴を穿つシャアは恐るべき存在です。

シャアを止めるにはアムロをぶつけるしかありませんし、アムロを止めるのにもシャアをぶつけるしかありません。

 

指揮官として、部隊の指揮を執る事もできますし、グリプス戦争からは政治的な行動も大きくとる事になります。

アムロはあくまで戦闘指揮が関の山で、艦隊の指揮は執ったことがありません。

ただ、アムロの場合はブライトが優秀なので出る幕が無いというのもありますし、シャアは第二次ネオ・ジオンの人材不足もあります。

グリプス戦争では政治的に死ぬ訳にはいかなくなったので、本来MSで最前線に出るのは良くなかったのですがA.E.U.G.の人材不足がそれを許してくれませんでした。

しかし、百式と言う第二世代MSの中で運動性には優れますが、グリプス戦争末期の高性能機と比べると明らかに劣る期待で、NT最強候補に名を連ねるシロッコハマーンと戦えたのは恐るべきセンスです。

 

第二次ネオ・ジオンでは、地球連邦軍肝いりの実戦部隊ロンド・ベルを相手に戦う訳ですが、アムロを追撃中に部隊のジェガンを多対一ですらあっさりと撃破します。

連邦軍上層部に疎まれている組織とはいえ、当時最新鋭のMSジェガンと間違いなく水準以上のパイロットをあっという間に片付けてしまうのがシャアです。

後の作品でジェガンはやられ役としての役割が大きくなってしまったので、大した強さとして描かれていませんが、当時のジェガンは高性能量産型MSです。

映画ガンダムF91の小型MSが主力になったころと比べられては困ります。

 

よく語られていますが、シャアとアムロの操るファンネルだけが、猛烈な戦闘機動を行っています。

あのハマーンですら、あそこまでの機動でファンネルを操る事はしません。(TVアニメと劇場版と言う作画コストの差はあえて無視します)

ギュネイ、クェスのファンネルと比べるとその差は歴然です。

 

また、バズーカを使用したアムロのトラップに対してシャアは瞬時に反応して防御しています。

その前のギュネイは一瞬の隙を突かれてやられています。

νガンダムとの格闘戦になった時に、蹴りを繰り出したのはシャアです。

その後にアムロサザビーに蹴りを入れますが、あれは上下すれ違いざまのもので蹴りを狙ったものではありません。

サーベルで受けずに、躱す事で片腕を切り飛ばす事に成功したアムロの動きがピックアップされることが多いですが、あの二人以外で長時間サーベルで斬り合うシーンはほぼありません。(0083であったGP-01とGP-02の斬り合いが一番激しいでしょうか?)

そもそもMSでの格闘戦は相当な熟練者でないと成立しないのでしょう。

ガンダムを語る上でよく出てくる名前は格闘戦をこなすエースパイロットばかりです。

 

NT能力に関しても、あまりいい評価をされていませんが、私はシャアを「受け取る事が出来るが、伝える事が苦手なNT」だと思っています。

相手を感じる事が出来るのですが、自分の考えを相手に伝える能力に不足を持っている。

故に完全なる相互理解というNTの完成形に到達できなかった。

伝える能力が低いからこそ、アムロ相手に有効な攻撃を放つことが出来て、攻撃を回避する事が出来る。

宇宙移民の意思を導くビジョンを持っていながら、それを上手く伝える事が出来なかった悲劇のNT、シャア・アズナブルだと勝手に思っています。

 

アムロはそのNT能力が戦闘能力に特化しすぎてしまった「環境に適応しすぎてしまったNT」だと思っています。